実例

組織開発実例
人材開発実例
経営開発実例

組織開発実例 業務改善プロジェクト

●概要

九州地場で中堅の卸業を営むA社は、企業のさらなる成長を目指して、30代の若手の幹部候補を十数名集めて業務改善プロジェクトを立ち上げた。メンバーは1か月に2回程度集まり、プロジェクト会議を開いて現状の問題点整理から始め、3か月間で業務改善の提案をまとめて経営層にプレゼンを行うこととなっていた。

●課題

  • 業務効率が悪く、残業時間が年々増加している
  • 企業の成長に人材育成が追い付いていない
  • 本社から営業所への支援体制が十分ではない
  • 個別案件ごとの収益管理ができていない

● 主な支援項目

  • 事業環境の調査
  • 現状の組織の問題洗い出し
  • 組織の課題抽出、解決策の立案
  • 各種プロジェクトの立上げ
  • 各種プロジェクトの運営・管理
  • 若手幹部候補へのリーダーシップ教育
  • プロジェクトメンバーのモチベーション維持
  • 個別収益管理の仕組み構築

若手幹部候補社員から出る課題!

〜課題を自分ごととするファシリテーターの問い〜

プロジェクト会議は「給料が低い」「残業が多い」「人が足りない」等々の会社に対する不満の声から始まり、第1回目と2回目の会議は若手幹部候補であるメンバーの不満が堰を切ったように噴出した。第3回目の会議も同じ様相で始まったが、ある程度の不満が出尽くしたところで、会議のファシリテーター役を務めるコンサルタント(弊社メンバー)から「この会社で仕事をしていて、何が楽しいか?」という問いかけに、メンバーの意識は大きく変わっていく。
「自分は何が楽しくて、この会社で仕事をしているのか?」という自らへの問いかけは、同じ職場で働いている部下たちは本当に楽しく仕事ができているだろうか?という問いに発展して、さらに、若手のリーダーとして、自分たちは何ができているだろうか?という内省につながっていった。ここまでの会議で会社の不満ばかりを挙げていたメンバーは、会社の問題を「他責」ではなく「自責」ととらえ、自分ごととして問題に向き合うことができるようになっていった。

プログラム実施による職場の変化

~自分たちから湧きあがったアイデアだからこそ、現場を変える“力”になる~

4回目以降の会議では、メンバー同士での改善に向けての前向きな議論が行われるようになり、最終回のプレゼンでは自分たちが考えて作り上げた業務改善のプランを経営層の前でプレゼンすることとなった。このプランの中心となったのは「明るく楽しい職場づくり」、具体的なアクションプランとしては、プロジェクトのメンバーがリーダーとなって、職場でのあいさつ運動を進める事であった。
あいさつ運動がスタートすると、各職場の雰囲気はガラッと変わった。会社から押し付けられた改善ではなく、自らが考え、メンバーのみんなで決めたアクションプランであったからこそ、各自が主体的に取り組んだのだろう。A社の社長が、ある得意先から「会社の雰囲気が随分変わった気がしますが、何かあったのですか?」と聞かれて、社長自身も会社が変わってきていることを実感すると同時に、若手幹部候補のメンバーの成長と、組織の成長の可能性を感じることができた。 A社はこの年に社長が掲げた10年後の成長ビジョンを達成すべく、今も成長を続けている。